vCenter Serverの構築で苦労したこと
こんにちは.
本日は,私が仕事で苦労したことを書きます.
ある案件で,VMware ESXiの構築からゲストOSのインストールまで請け負う仕事の担当になりました.その際,可用性を考慮して仮想基盤となるホストが2台あるのですが,その2台の間で仮想マシンの移動やクローンの作成といった操作をするためのアプライアンスであるvCenter Serverを仮想基盤上に構築する必要があったのですが,その時の構築でかなり悩まされました.
その時の苦労を忘れないために,ここに書き綴っておきます.
インストール途中にエラーが出てインストールが止まる
vCenter Serverのインストールには2種類あるらしく,ひとつは既に稼働しているWindows Server上にvCenter Serverを立ち上げる方法.もう一つは,接続できる端末からアプライアンス用のソフトウェアを使ってアプライアンスを仮想基盤上に構築する方法.
私の場合は,アプライアンスだったので,後者の方法を実施しました*1.
アプライアンスのインストールにはStep 1とStep 2があるのですが,設定項目は既に決まっていたのですいすいとStep 2まで行きました.そのStep 2に罠が待っていました.
プログレスバーが50 %くらいのところで全然進まず,1~2時間ほどかかった上にエラーを吐いて失敗します.何度やってもです*2.
エラーの原因は,DNSの参照ができないから
エラーメッセージをめげずにググっていると,どうやらDNSが参照できないことが原因であるようでした*3.そこで,インストールのためにわざわざDNSサーバを用意してDNSを参照できるようにしました*4.
しかし,それでも長時間用した上にインストールに失敗してしまいます.さらに調べてみると,FQDNを設定して正引き・逆引きができるようにならないといけないらしいという情報をどこかで得たのです*5.
そこで,FQDNを"photonmachine.local"に設定し,DNSサーバに"photonmachine.local"のAレコードとPTRレコードを設定してみたら見事インストールに成功しました!!やったね!!
ところが,それが不正解
何とかインストールに成功して無事お仕事完了!と思っていたのですが,実はFQDNは今回の設計では入力不要というか,入力してはダメ!*6ということで,作り直しになってしまいました...しかも,自分が作り直すのならともかく,できる先輩社員の方がサクッと片手間で作りなおしてしまい,自分の無知さと,デキる先輩社員の方に手間をかけたという悲しい事実がのしかかるなんとも苦い思い出になってしまいました...
最後に
結局,インストールの失敗の真因はわからなかったのですが,DNSであることは間違いなく,vCenter Serverは何でもよいので正引き・逆引きができるレコードが登録されているDNSサーバと接続できるかを確認しているみたいです.
なので,FQDNを設定する必要はなく,レコードを登録すればよかった,ということになります.
本記事が,今後vCenter Serverを立てる皆様のお役に立てば幸いです.
*1:というか,手元にある書籍やググったサイトは大体前者の方法が紹介されていて,後者の方法があることに気付くのにも苦労しました...
*2:これだけで1営業日つぶしてしまったほどです.自分の無知が怖い...
*3:vCenter Serverのインストール失敗にはよくありがちなエラーのようです
*4:当時はインターネット接続の環境がないローカルな環境で構築していました.そのため,足りないものは自分たちで追加していくしかありませんでした
*5:今思えば,これは間違いだと思います.そもそもFQDNは設定ではoptionalだったので,設定が必要なわけありません.当時は焦っていたので,いろいろ試していたという経緯がありました
*6:Webページの画像などにFQDNが紐づいているらしく,対応するレコードがあるDNSサーバがないとアクセス不能になるらしいです.今回は自社で構築して,お客様環境に持ち込むため,今レコードが引けてもダメ!ということでした.